いのちの教室では、プライベートゾーン(水着ゾーン)を学んだあと、男女の違いについてもお話していきます。
子どもたちが考える「男女の違い」
子どもたちに男女の違いを尋ねると、「髪の毛が長いのが女の子」「ズボンを履いているのが男の子」など、見た目の違いが返ってきます。ちなみに私はショートヘアなので、「先生は男の子でしょ!」とよく言われます。
男女の違いは「外性器」、つまり外から見える身体のつくりの違いです。そして、それぞれの身体の内側にも大切な器官があります。
女性には「卵巣」「卵管」「子宮」「膣」といった内性器があり、男性には「精巣」「精巣上体」「精管」「精嚢」「前立腺」があります。子どもたちには言葉が多すぎると分かりにくいので、女性は「膣」と「子宮」、男性は「ペニス」と「精巣」をメインにお話しています。
月経と射精——「大きくなったら起こること」の心の準備
女の子には赤ちゃんを育てる袋である「子宮」があり、卵巣には赤ちゃんのもとになる「卵子」がいます。卵子の数は生まれたときに持っている数から増えることはありません。
月に1回、卵巣から卵子が飛び出して卵管のほうへ向かいます(排卵)。その頃、子宮では赤ちゃんが来たときに居心地よく過ごせるよう、内膜にふかふかのお布団を敷いて準備をしています。赤ちゃんが来なければ、お布団は不要になり、内膜から剥がれ落ちて体外へ出ていきます。このときに出血を伴うのが月経(生理)です。
赤ちゃんのために毎回新しいお布団を準備してくれている身体って、本当によくできています。
子どもたちにはまだ先のお話ですが、月経についても「大きくなったら起こること」の心の準備として伝えています。男の子の射精についても同様で、「生まれたときから精子を送り出すための練習(勃起)をしているんだよ、すごいよね!」とお話しています。
3億分の1の奇跡——「産まれた時から1等賞」
精子と卵子が出逢い受精する場所は決まっていますが、「いつ、どこで、何時に待ち合わせ」と約束しているわけではありません。だからこそ受精は、簡単には起こらない奇跡なのです。
手作り教材「卵管筒」で奇跡を体感する
この「3億分の1」の実感を子どもたちに届けるために、いのちの教室ではオリジナルの手作り教材「卵管筒」を使っています。
卵管の中にあるたくさんの繊毛をイメージして手作りした筒状の教材で、これを覗くと、精子たちが卵管の中を進んでいくサバイバルレースの一端を感じることができます。
途中で卵管の繊毛に引っかかってしまう精子もいる。強く、たくましく、最後まで諦めず、そして運をも味方につけた1匹だけが、卵子との結合を勝ち取ることができる。
講座では子どもたちが卵管筒を覗きながら、「この糸に引っかかったらどうなっちゃうの?」「すごい!通るの大変そう!」と、驚きの声を上げてくれます。絵や説明だけでは伝わりにくい「奇跡の実感」を、手で触れて、目で覗いて、体感してもらうことを大切にしています。
受精から始まる物語
受精卵は細胞分裂をしながら、ゆっくりと卵管を通り抜けます(これがまたスムーズには通れないのです)。無事に子宮に到着すると、準備されていたふかふかのお布団に潜り込みます。
受精卵の大きさは、針先でちょんとついたくらいの約0.1ミリ。子どもたちはこの小ささにも「えぇー!こんなの!?」と大きな驚きを見せてくれます。
少しずつ人間の形に近づいていく胎児。エコー映像や胎児の写真を見て「怖い!」という声もありますが、「始まりはみんなこうだったんだよ」と伝えると、驚きの表情に変わります。
いのちはバーチャルではありません。だからこそ事実をそのまま伝えることを、いのちの教室は大切にしています。